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Challenged On The frontStage 〜 COTS


趣意書



   文化面のノーマライゼーション・プロジェクトが動き出しました

 日常の生活環境では、歩道の段差などバリアの解消が少しずつ広がり、チャレンジド(注)が生活をおくるのに必要な環境はととのいつつあります。
 しかし、日常が暮らしやすくなるだけでは十分とは言えません、感動という刺激がない人生は無意味だと思いませんか?感動は人生の味付けだと思います。その感動をエンターテイメントに求める人も多いのですが、享受できる人もいれば、できない人もいます。特にチャレンジドを取り巻く環境は物理的なバリア制度的なバリア情報面のバリア意識のバリア、そして経済的バリアがあり、享受しづらい環境にあります。これらを改善するためには、とりわけ音楽を愛するチャレンジドアーティスト健常者が1つのテーブルに着き、等しく感動を共有できる場、3者の出逢いの場である、コンサートホールやライブハウスなどのノーマライゼーションを実現できる場所に作り替えたいと思います。


   ともに手を携えて……

 チャレンジドのみがこの活動に関わるのではなく、賛同し協力をする健常者、そしてコンテンツの提供者であるアーティストが、共通の問題を認識し多角的に解決策を提示することができるのではないでしょうか。
 そのために多くのアーティストの賛同を得ていくことも目的の1つです。


   本当のバリアをなくすために

 チャレンジドの視点から、娯楽・文化施設におけるバリアフリー化の現状を見つめると、設備(ハード)面は完備していても利用しにくい点があったり、ソフト面を担うスタッフが、チャレンジドをはじめとする配慮を必要とする人への理解や意識が低く、介助技術や知識などが行き届いていない現実をよく目の当たりにします。日常を離れて行った会場で、危険に遭遇する不安と当たり前のように楽しめない不満をたくさん抱えているチャレンジドが少なくありません(下記参照)
 ステージに立つアーティストは、すべての人が同じように楽しみ、感動していると思っていることでしょう。しかしながら、会場によっては主催者・ホール側の意識の差に大きな開きがあり、戸惑いを覚えることがあります。
 そして健常者の中にもチャレンジドを理解し、困っている人を見かけたら手を差し伸べ、ともに楽しみを共有できたら……と思っている人や、何らかの形で助けになれたらと願う人もいます。
 それら3者の意見や思いを集約し、娯楽・文化施設の中でも手始めに、音楽を楽しむための場所のバリアをなくすことを目標として、活動を始めます。

(注)Challengedチャレンジド 挑戦し続けることを宿命付けられた人の意。
 私たちは 「障害」 という言葉の持つマイナスの意味(邪魔になる/妨げとなる/悪い結果・影響を及ぼす物事…)に抵抗を感じ、米国で使われ始めた「チャレンジド」 という呼称を用い表現しています。



   私たちが目指していること…… 「文化の成熟」

 私たちはチャレンジドが満足するバリアフリーの促進を働きかけるだけではなく、日本で音楽や文化が本当の意味で成熟するために、つまり、すべての人ができる限り同じ環境・条件でそれを享受できる社会にするため、日本人全体の意識を高め、変えていきたいのです。
 例えばそのひとつとして、途中失聴・難聴のチャレンジドにも音楽を楽しんでいただけるよう、骨伝導スピーカーなどをコンサートホールに設置導入を促進する取り組みもおこなっていきます。
 そして将来は、その範囲をコンサートホール、ライブハウスに限らず、広義のエンターテイメントスポット(各種スポーツ競技場、劇場、寄席、映画館、美術館、博物館、テーマパークや遊園地、公共の公園など)に広げていくことで、すべての人がより快適な文化的生活を送られるように働きかけます。
 どんな人にも配慮された快適な空間をつくることで文化の成熟を促し、社会のあるべき姿の実現のため、私たちは文化の分野でできることから始めます。


   活動内容
  • 諸外国および日本での娯楽・文化施設(当初はコンサート会場など)におけるチャレンジド対応事情のアンケート調査・比較分析を行い、問題点の改善を求めます。
  • 海外事情と日本の現状を勘案し、改善点を賛同者と共にイベンターや会場主に働きかけます。
  • コンサート会場に骨伝導など新技術を導入促進します。
  • COTSにご協力頂けるアーティスト(将来的には俳優、スポーツ選手、文化人etc…)の賛同者を増やします。
  • 介助者の料金を負担しないといけない現状を踏まえ、チャレンジド料金の創設を目指します。
  • COTSを広く知って頂き、啓蒙するための広報活動をおこないます。
  • 様々な施設をバリアフリー対応にすることが基本だが、施設の運営、管理、人的対応等のソフト面で、より利用しやすい環境づくりを奨励します。
  • 利用者のニーズの増加や多様化することが考えられるので、柔軟に対応し配慮を求めます。
  • 非常時の安全対策が物的なサポートに加え、人的なサポートも包含した「防災システム」を求めます。

 チャレンジドの皆さんをはじめ多くの方々からのご意見などをお待ちしています。
 すべての人が感動を共有し、響きあえる「場」を一緒に作り育てていきましょう。

あなたにしかできないこと、きっとあります...


作成:2004年12月10日
最終更新:2006年4月2日
Challenged On The frontStage 〜 COTS
代表:中田 泰博       

   参照:コンサートホール・会場の問題点

 実際にチャレンジドがコンサートホールを利用し、感じている不満をレポートして頂いたものを紹介します。関西有数の著名なホールなどでも、バリアフリーであるとはいえないことが少なくありません。これを読めば、現状をわかっていただけるのではないでしょうか。

   <ハード面における問題点>
  • 障害者用トイレ:トイレまで階段あり、車椅子での利用者はサポートが不可欠。
  • 座席までの階段:ホールという構造上やむを得ないが、2階席などの通路階段が急勾配で危ない。1万人以上が収容できる全天候型ドーム球場や大型ホールなども同様。
  • 障害者席:車椅子に乗っていないチャレンジドが障害者席に座ろうとすると「ここは車椅子席だから」と断られる。
  • 障害者席の場所:観客が立ち上がると全く見えなくなる場所や出入口の真横、最後尾に障害者席を設置。S席料金を取られてA席に設けられた障害者席へ。スピーカー前に障害者席があって開演後すぐに気分が悪くなる、etc…
  • ライブハウスでの対応:元々チャレンジドが利用する事が想定されていない為、設備面でも立ち遅れている会場が多く、配慮を事前に申し入れておく必要が生じる。
   <ソフト面における問題点>
  • 飲食禁止の徹底:チャレンジドの中には適度に水分を取らなければ脱水症状を起こす方も存在するが、ルールを徹底とばかりに水分補給を認めない。
  • 介助の知識・経験不足の人が誘導:車椅子を押した事のない会場誘導係員が不適切な対応によりケガなどの事故が発生する危険性がある。車椅子に限らず、視覚的チャレンジドの方や肢体に麻痺を持つ方への配慮なども不可欠だが、経験のある係員は非常に少ないと思われる。

   日本は福祉後進国?

 チャレンジドに関係する法律を諸外国と日本と比べても差は歴然としています。
 例えばアメリカではADA法により、公共施設や小売店の入口に階段しかない場合は、チャレンジドの来店を拒む行為で差別であるとし、莫大な損害賠償請求がなされたケースがあります(ADA法:The Americans with Disabilities Act 1990年に成立された米国連邦法)。
 日本版ADA法とも言える「障害者差別禁止法」を策定しようと進められて来ましたが、現行法である「障害者基本法」の一部改正に留まっています。また、公共施設などのバリアフリー化を進める法律「ハートビル法」(1994年成立、2003年法改正)が存在し、対象施設の幅が広がりましたが、施設区分によっては「努力義務」で改善を促す程度に留まるなど、すべての場所でチャレンジドが不自由なく移動・利用・滞在できるようになるには、まだまだ時間が掛かるのではないでしょうか。
 こうしたバリアとともに改善していかねばならないのは、人々すべての意識です。チャレンジドへの無理解や差別、それらを受けることでチャレンジドの側からもバリアを作ってしまうことなどをなくし、世の中を変えていくことが急務です。